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『バッド・タイミング』 ニコラス・ローグ 2007年3月4日(日)

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以前、友人がぼくに観せたい映画があるといって、ニコラス・ローグ監督の『バッド・タイミング』のヴィデオを観せてくれた。共演はアート・ガーファンクルとテレサ・ラッセル。1979年の作品だが、なぜかこの映画観ていなかった。
のっけからウイーンのベルベデーレ宮殿のクリムトやシーレが登場してきて、すごくスノッブな雰囲気だが、映像、音楽共にすごく洒落ていて、キース・ジャレットの“ケルン・コンサート”やビリー・ホリディの曲が抜群のタイミングで挿入されている。
アート・ガーファンクル扮する精神科医アレックスと、テレサ・ラッセル扮する奔放で魔性の女性ミレーナの激しい愛と破局、そしてテレサの自殺未遂。ストーリーは刑事役のハーヴェイ・カイテルがアレックスの「殺意」を追求するかたちで進行する。
この映画の撮影と重なるように、アート・ガーファンクルは自身のアルバムシザース・カットを制作していて、実生活でも恋人ローリーを自殺というかたちで失っている。アルバムの裏ジャケットには自殺した恋人の写真が使用されていた。
当時、私生活で問題を抱えていたぼくを見ていた友人は、“シザース・カット”を聴くたびにぼくを思い出すと言っていた。
 
たとえ爆弾が落ちても
炎の中からあなたを探し出すときみは言った
でも今じゃふたりはまるで他人同士
辛いこともあるけれど
考えるとおかしいね
だってまるでゲームじゃないか
誰もが味わうことなんだ
きみは紙に勝り、紙は石に勝り
石はハサミに勝る
きみはぼくを傷つけ、ぼくはきみを傷つける
彼女は彼を悲しませる

皆のやっていることは
子供の遊びと同じさ
きみはいまだに
ぼくを炎の中から探しだすつもりかい

scissors cut』 by jimmy webb
訳、滝上よう子

*写真は冬のVienna

by tatsuokotaki | 2007-03-04 23:38 | Trackback | Comments(0)

小瀧達郎気紛れ日記

by tatsuokotaki
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