2007年 02月 18日
雨音 2007年2月18日(日)
夜半過ぎ、激しい雨音で目が覚めた
眠れない夜
さまざまな想いが脳裏に去来した
自分の至らなさから傷つけてしまった人のこと…
雨にうたれる河津桜の残像が浮かんで消えた
昨夜読んだ谷川俊太郎の『詩人の墓』の一節がひどく心に刺さっていた。
ある夕暮れ娘はわけもなく悲しくなって
男にすがっておんおん泣いた
その場で男は涙をたたえる詩を書いた
娘はそれを破り捨てた
男は悲しそうな顔をした
その顔を見ていっそう烈しく泣きながら娘は叫んだ
「何か言って詩じゃないことを
なんでもいいから私に言って!」
男は黙ってうつむいていた
「言うことは何もないのね
あなたって人はからっぽなのよ
なにもかもあなたを通りすぎて行くだけ」
━谷川俊太郎『詩人の墓』(集英社)より━
伊豆からの帰路、箱根新道は深い霧に包まれていた。
by tatsuokotaki
| 2007-02-18 23:48