小瀧達郎気紛れ日記


by tatsuokotaki

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暗室作業  2018/4/29

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海外に発注した印画紙が、チェコとドイツからやっと届きました。今回の展覧会で使いたい印画紙が製造中止になったため、在庫を探しまわって残りの一便はなんとノルウェイからやってきます。
ギャラリーに来るお客さんと話をしていると、FUJI FILMがモノクローム写真の感材の製造をやめることで、もうフィルム写真は終わりなのですねという人が結構います。その度に「いえいえ海外では新しい印画紙やフィルムを作るメーカーも出てきていて、銀塩写真がなくなることはありませんよ」と説明しています。
ボクは昔からFUJI FILMは使っていないので直接的な被害はないのですが、世界の一大企業となった会社が社名でもある商品をなくすにあたって、世の中の人に対して誤った認識を植え付けてしまうようなことはちょっと困ります。
販売不振だからやめるという企業の方針について、ボクのようなものがとやかく言う立場ではありませんが、コダックを追い越して一大企業となった会社なのですから、写真文化という観点からも、もう少しなんらかの配慮をしてくれたらなー、と思います。

プリント作業を始める前は、いつも数週間前から心の準備を始め集中力を高めていきます。暗室の引き伸ばし機その他の調整は万全。ネガやコンタクト・プリントを眺めながら心の準備もいい感じになってきてすでに数週間。集中力が切れそうになった頃に待ちに待った印画紙が届きました。
印画紙、現像薬品共に今回初めて使うものなのでまずはテストから始めないといけません。
もう40年もやっているのに、毎度のことながらモノクローム写真のプリントは難しい。細部にこだわり始めると全体像が見えなくなり、あたり障りのないつまらない写真になってしまいます。
デジタル・プリントなら容易にできることが、銀塩プリントでは儘ならない。ボクは基本はストレートなプリントを心掛けていますが、どうしてもマスクを作ってプリントしなければならない場合もでてきます。そんな時、ひとりで暗室で作業していると、どんどんドツボにはまってしまって、しまいに訳が判らなくなります。
最終判断はプリントを終えて、翌日フラットニング(平面出し)してからでないと決められません。銀塩写真の面白いところでもありますが、プリントした写真は生き物のように刻々と変化してゆきます。それゆえ、数日間は変化を見ながら、その間自分の頭も冷却して出来上がった写真をある程度客観視できるようにもっていきます。
長期的な観点でも、時間を経て変化しながら美しくなっていくところが銀塩写真の魅力でもあります。

ゴールデン・ウイークが始まりましたね。爽やかな新緑の風を受けながらドライブでもしたいところですが、連休は暗室作業で終わりそうな気配です。
次の展覧会は以下のような予定です。

Beyond Summer ーイギリスの夏へー
2018/6/20~  gallery bauhaus

2014~17年の夏にイギリスで撮影した写真展です。

by tatsuokotaki | 2018-04-28 19:26 | Trackback | Comments(0)
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