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パリ日記  2018/1/28 曇り

9時30分にアパートを出て、メトロに乗ってクリニャンクールの蚤の市へ。
今日は日曜なのでカメラは持っていても気分は休日モード。そう言いつつも「気分を切り替えたらいつもと違った写真が撮れるかな」などと有らぬ期待を込めて、いつのまにかまたシャッターを押している。
冬の午前中、クリニャンクールはまだ人が少なく開いていない店もある。ポールヴェール区の行きつけのカフェで早めのランチにした。
ボクたちが朝一番の客だったようで、女性スタッフに厨房の準備に15分ほどかかりますといわれたが、結局料理がでてくるまでに1時間程待たされた。
クリニャンクールは広くて丹念に見たら一日かかるが、今日は妻のおつきあいでヴィンテージの服を扱うSaraという店に直行した。
この店は業界では有名店で、ファッション・デザイナーの卵やヴィンテージ服の業者さんなどが買い付けやデザインを盗みにやってくる。いつも在庫が豊富で、60年代あたりのデッド・ストックのニットなどが安く見つかる。
いまの有名ブランドの服とデザインが酷似していて、あれ~、なんてこともよくあるが、昔の服の微妙な色調は現代の服にない独特の美しさがある。
今日は夕方から「冬のサーカス」を予約をしているので、クリニャンクールを2時過ぎにきりあげて一度アパートに戻った。

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“冬のサーカス”(Cirque d'Hiver)という名前は何と魅力的な響きだろう。
円形のサーカス小屋の外観はいままで何度も写真に撮っているが、冬しか興行しないこともあって公演を観るのは今回が初めてだ。
昔この近くに“クラウン・バー”というサーカスの芸人が集まる店があった。店内はサーカスを描いた天井画やクラウンの人形などで埋め尽くされ、サーカス好きには魅力的な場所だった。
その後、内装はそのままで日本人シェフの人気レストランになったが、今回前を通りかかったらすっかり様変わりしていた。詳細はわからないが以前のクラウン・バーは消滅してしまったようで、一昨年コーヒーを飲みに入ったときに店内を撮った写真が最後の思い出になった。
「冬のサーカス」はとても期待して観に行ったのだが、内容は観光客相手といった感じが強くてつまらなかった。
昔パリで観たサーカスはテントもとても小さかったけれど、観客の頭のすぐ上を空中ブランコが飛んだりして、逆にすごくリアリティがあった。
道化師たちもフェリーニの映画にでてきそうな感じで、ユーモア、ペーソスに加えどこかオドロオドロしさを感じさせて想像力をかきたてられた。
あんなサーカスはもうないのかもしれないが、“冬のサーカス”では唯一、白馬にまたがったジプシーの女芸人が、周囲を威圧するような圧倒的オーラを放っていてよかった。

by tatsuokotaki | 2018-04-07 19:57 | Trackback | Comments(0)

小瀧達郎気紛れ日記

by tatsuokotaki
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